リタイア世代の子どもたち
リタイア世代は、若い世代がとても眩しい!
50代前半で自主退職をした私は、以前からお付き合いのあった、あるベンチャー会社にお世話になることができました。
ベンチャー会社と言っても、まだ設立したばかりでスタッフも数えるほど。
夢はあるけれど明日のことは分からないといった状況です。
でも、楽しかった!
当時ブームだった産学共同研究チームの末端に加えて頂き、開発スタッフのお世話(雑用です)をさせて頂きました。
夜遅くまで、熱心に議論と仕事をする若いスタッフと一緒にいるだけで、こちらも元気になってしまいます。
若い時は青臭い自分がいやで、何の実力もないのに虚勢を張っていましたが、この時初めて“若さの魅力”を知ったように思います。
素直に「若いっていいな! 素晴らしいな!」と
しかし、彼らのように目標を持って勉強し、大学に進み、目標通り社会人になれた人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?
振り返って見れば、高校生当時の自分は将来の目標も持たず、周りが進学するから自分もそうしようか?などと、実にいい加減な態度でした。
今なら、当時の自分に「進学なんぞ10年早い! 海外を放浪でもして、厳しい世間の風に当たってこい!」というでしょう。
なぜなら、社会人になって経験した数日間の海外旅行ですら、もっと早い時期に海外に出てみるのだった!と痛感したからです。
将来の目標がまだ定まっていない中・高校生の世代に、進学のための勉強を強いるより、ぜひ海外の空気・景色・人を体験させて頂きたいと思うのです。
長期留学や語学学習の短期留学でなくとも、一週間の海外旅行でいいので、体験させてあげたいと思うのです。
リタイアした私の子どもたち。
そんな事を常々口にしていたせいか、我が家の子ども達3人は、それぞれの形で海外生活を経験することになりました。
長女は、アメリカで2ヶ月間の貧乏生活を。
就学旅行で一度しか上京したことのない20歳過ぎの女の子が、大胆にも一人アメリカへ旅立って行きました。
この時初めて長女のたくましさを知りました。
次女は高校二年生の時、交換留学制度を利用しイギリスへ10日間のホームスティを体験。
のんびりした性格の娘で何かと心配したが、こちらは学校のお世話があり安心して送り出すことができました。
長男は大学時代に、自ら準備しワーキングホリデーで1年間オーストラリアへ。
ブラックな運送会社でキツイアルバイトを続け渡航資金を作り、せっかく入学した大学を1年間休学し、旅立って行きました。
その後、帰国し復学・卒業して就活していたので少し安心していたら、ある日「シンガポールで会社面接があるから・・・」と言って出かけ、そのままシンガポールの住人となってしまいました。
皆それぞれに働いたりアルバイトしたりと資金作りをしてくれたので、私たち親の援助は僅かですみ、本当に有り難かった!
リタイアした今、当時の事を思い出すと「やっぱり親子だなあ〜」「考えることが似てるな〜」と思ってしまうのです。
その事を日頃から私たち家族を見守って下さっていたA氏に話すとこう言われてしまいました。
「カエルの子はカエル!」と。 はい、その通りです。
(ここまでお読み頂いた方、お付き合いして下さり有り難うございます。)